結婚に向けての準備と時間が過ぎていったけれど、相変わらずセックスはしないままだった。
わたしはそれを忙しさのせいにしながらも、それでも今日は…などと淡い期待をしながら週末の夜を迎え、そして泣きそうになりながら同じベッドで眠った。
セックスをしない以外はごく普通の恋人同士で、手も繋いだし、キスもしたし、胸をさわったりスキンシップもあった。
でもそれ以上先へは進まない。ベッドに入ると大イビキで寝落ちするだけ。
今なら、結婚前にセックスをしなくなる男が、結婚後に解消するなんてあり得ないのだと分かってるけど、当時は本当に ”今だけ” と思っていた。
「結婚式の準備で忙しいこと、そして結婚のプレッシャー」が原因なのだから、これはもうすぐ終わるんだって、そう思い込んでいた。ほんとバカだった。
目次
結婚式前夜
そしてついに結婚式の前日。
わたしはひとり暮らしのアパートではなく、実家にもどって独身最後の夜を過ごしていた。
母と1日ショッピングをしたりして楽しい時間を過ごし、夜はいつものようにリビングで談笑。そして嫁ぐ日のあの定番の挨拶をして、2人で涙したりした。
いよいよ結婚。
緊張と高鳴る気持ちの奥に「明日はきっと…」と、無垢な花嫁には似つかわしくないセックスへの期待を寄せていた。
結婚式が終われば、夫婦になれば、わたしはまた抱かれる。この辛かった日々はこれで終わる。
当たり前のように、そう思っていた。

