新居に引っ越してから、夫は少しずつモラハラ気質になり、キレたり怒鳴ったりすることが増えていった。
普段は優しい。けれど、大きな声を出して妻を従わせることが「夫のあるべき姿」だとでも思っているような振る舞いに、わたしは我慢を積み重ねていった。
そんな中、もうひとつ、わたしをしんどくさせていたものがあった。
それは、近くに住む義父母との距離だった。
義母との近すぎる距離
義父母の家は、まさに「スープの冷めない距離」にあった。
言葉どおり、義母は頻繁にわたしたちの家へおすそ分けを持ってきた。
息子夫婦を気にかけてくれている。その気持ちには感謝すべきなのだろうけれど、仕事を終えて家に着いた途端、「ピンポーン」とインターホンが鳴る。
それが、わたしには苦痛でたまらなくて、居留守を使ったことも何度もある。
そのたびに後から「気づかなくてすみません」と謝った。
義母は、仕事から戻ったわたしの車が車庫に停まっているのを確認してからやってきていた。
自分の行動をいつもチェックされているような状況が苦しくて、車をどこかに隠してしまいたいと思うほど、家に帰ることが憂うつになっていた。
仕事が終わっても、家に帰りたくない
わたしは、仕事が終わってもまっすぐ家に帰らなくなった。
夫には「残業がある」と嘘をつき、用事もないのに時間をつぶしたり、何か理由をつけて帰宅時間を遅らせたりした。
わたしの帰宅が遅ければ、夕飯にありつけない夫は、友だちと遊びに行ったり、外出したりしていた。
そんなある日、いつものように家にやってきた義母から、突然責められた。
「いつも家の電気が消えている。結婚したのに毎日帰宅が遅いのはおかしいでしょう!?」
家の電気が消えているなら、夫だって家にいないということじゃないか。なのに、どうしてわたしだけが責められなきゃいけないの?
夫婦仲は悪くなっていく。
義実家との距離もしんどい。
そして、夫から抱かれることもない。
「わたしは、結婚という大きな選択を間違えてしまった」そんな思いが、日に日に大きくなっていった。取り返しのつかない選択ミスを悔いた。
新居のリフォーム代はローンを組んでいる。結婚式からまだ半年ほどしか経っていない。逃げられない。
当時のわたしはそう思って、ひとり追い詰められていく。

