ずっと言えなかったセックスレスのことを、わたしは初めて夫にぶつけた。
夫は戸惑ったような顔をして、ただ黙っていた。
寂しかったこと。ずっと辛かったこと。
どうしてしないのかわからなくて、ひとりで悩んでいたこと。
わたしが泣きながら、それまで胸の中に溜め込んでいた気持ちを吐き出しても、夫は静かにそれを聞いていただけだった。
なにも言わない夫に「どうしてなの? なんでしないの?」とわたしはさっきと同じ言葉を繰り返す。
夫は「……ごめん」とひとことだけ言った。
こんなに勇気を出したのに、夫から帰ってきた言葉は「……ごめん」だけ。
ごめんってなんなの? なにが原因なの? どうしてしないの?
わたしが知りたいその答えはなにも返ってこない。わたしももう黙るしかなかった。
勇気を出して伝えても、何も変わらなかった
しばらくの沈黙のあと、「頑張る」とか「努力する」とか、夫はそんな言葉を言っていた気がする。
具体的なことは何もわからず、そんな努力目標にもならないような漠然とした言葉。
結局、セックスレスの原因やこれからについて深く話し合うこともなく、その日の話は終わった。
それでもわたしはようやく自分の気持ちを伝えられたことで、なにか少し前に進んだような、そんな気持ちでいた。
でも現実は、ただの一歩も進んでいなかった。
翌日になれば夫はいつも通りだった。まるで昨夜のことなんて忘れてしまったかのように。
そして、セックスレスの状況も何ひとつ変わらなかった。
「頑張る」「努力する」あの言葉は、なんだったんだろう。
夫からもう一度この話をしてくることもなく、勇気を振り絞って伝えたわたしの訴えは、綺麗に消え去っていたみたいだった。
もうどうしたらいいのか分からない。
わたしもまた、満たされない気持ちを抱えたまま、いつもの日常を過ごすしかなかった。
仲良くしていた後輩との再会
そんな頃、同じ職場の後輩の田下くんが、転勤先から戻ってきた。
なぜかわたしによく懐いていた4歳年下の男性。夫と付き合う前からずっと仲がよかった。
その彼が、再びわたしの前に現れた。

