#11「頑張る」って何? セックスレスを打ち明けても何も変わらなかった

ずっと言えなかったセックスレスのことを、わたしは初めて夫にぶつけた。

夫は戸惑ったような顔をして、ただ黙っていた。

寂しかったこと。ずっと辛かったこと。

どうしてしないのかわからなくて、ひとりで悩んでいたこと。

わたしが泣きながら、それまで胸の中に溜め込んでいた気持ちを吐き出しても、夫は静かにそれを聞いていただけだった。

なにも言わない夫に「どうしてなの? なんでしないの?」とわたしはさっきと同じ言葉を繰り返す。

夫は「……ごめん」とひとことだけ言った。

こんなに勇気を出したのに、夫から帰ってきた言葉は「……ごめん」だけ。

ごめんってなんなの? なにが原因なの? どうしてしないの?

わたしが知りたいその答えはなにも返ってこない。わたしももう黙るしかなかった。

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勇気を出して伝えても、何も変わらなかった

しばらくの沈黙のあと、「頑張る」とか「努力する」とか、夫はそんな言葉を言っていた気がする。

具体的なことは何もわからず、そんな努力目標にもならないような漠然とした言葉。

結局、セックスレスの原因やこれからについて深く話し合うこともなく、その日の話は終わった。


それでもわたしはようやく自分の気持ちを伝えられたことで、なにか少し前に進んだような、そんな気持ちでいた。

でも現実は、ただの一歩も進んでいなかった。

翌日になれば夫はいつも通りだった。まるで昨夜のことなんて忘れてしまったかのように。

そして、セックスレスの状況も何ひとつ変わらなかった。

「頑張る」「努力する」あの言葉は、なんだったんだろう。

夫からもう一度この話をしてくることもなく、勇気を振り絞って伝えたわたしの訴えは、綺麗に消え去っていたみたいだった。

もうどうしたらいいのか分からない。

わたしもまた、満たされない気持ちを抱えたまま、いつもの日常を過ごすしかなかった。

仲良くしていた後輩との再会

そんな頃、同じ職場の後輩の田下くんが、転勤先から戻ってきた。

なぜかわたしによく懐いていた4歳年下の男性。夫と付き合う前からずっと仲がよかった。

その彼が、再びわたしの前に現れた。

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